2023-01-01から1年間の記事一覧

実録・戦後日本と昭和政治史4

●戦後、失われた「国体」と「臣民」という文化構造 2008年、わたしは村上正邦と佐藤優の共著で『情の国家論』を上梓したが、その7年後、佐藤優から新刊が送られてきた。『日本国家の神髄』と題名にあるように、国体論で『情の国家論』でもとりあげた大…

実録・戦後日本と昭和政治史3

●国益主義の保守政治、理念主義の革命政治 フランスのド・ゴール大統領は「政治が最終的にもとめるものは国益だ」と喝破した。 日本の政治も国益型だったが、これに理念型がくわわったのは、明治維新の薩長政府が西洋化政策をとったからだった。 国益の他に…

実録・戦後日本と昭和政治史2

●日本保守主義の原点は三宅雪嶺の国粋主義 日本の政治思想の原点を、明治の精神にもとめると、徳富蘇峰と三宅雪嶺の名が挙げられる。 中学生の近現代史の参考書には、この二人のほかに、幸徳秋水と高山樗牛、そして、鹿鳴館文化の井上馨の名が記されている。…

実録・戦後日本と昭和政治史

昭和史に残る政治と事件の舞台裏/「山本峯章ノート」から 実録・戦後日本と昭和政治史1 はじめに/政治の大動乱期だった昭和という時代 戦後から昭和にかかる半世紀の日本の政治は、平成令和の現代からは想像もつかない動乱期だった。日本は、世界戦争とそ…